ロレックス GMTマスターII歴代モデル一覧|ペプシ・バットマンなど型番の違いを徹底解説

モデルガイド

世界を飛び回るパイロットのために開発されたロレックス「GMTマスターII」。2つのタイムゾーンを同時に表示できる機能性と、カラフルな2色ベゼルの美しさから、スポーツモデルの中でも独自の人気を確立しています。この記事では、GMTマスターIIの誕生の背景から、歴代の型番とその違い、機構の仕組み、選び方、相場動向までを詳しく解説します。

ロレックス GMTマスターIIを着用したイメージ
Photo via Pexels(無料ライセンス)

GMTマスターIIとは?モデルの基本概要

GMTマスターの初代モデルは1954年に登場しました。開発のきっかけは、アメリカの航空会社パンアメリカン航空(パンナム)からの依頼です。当時、大西洋を横断する長距離路線が拡大する中、パイロットや乗務員が出発地と目的地、2つのタイムゾーンを同時に把握できる時計が求められていました。ロレックスはこの要望に応え、24時間表示の第3の針(GMT針)と、回転ベゼルを組み合わせることで、2つの時刻を同時に確認できる機構を開発しました。

「GMT」とは「Greenwich Mean Time(グリニッジ標準時)」の略で、世界の時刻の基準となる時間帯を指します。GMTマスターは、この基準時間と現地時間を同時に表示できることから、この名前が付けられました。1983年には機構が改良された「GMTマスターII」が登場し、GMT針とベゼルを独立して操作できるようになり、3つ目のタイムゾーンも実質的に確認できる利便性が加わりました。

GMTマスターIIを象徴するのが、ベゼルに配色された2色使いのデザインです。赤と青の配色は「ペプシ」、黒と青は「バットマン」、黒と茶色は「ルートビア」といった愛称で親しまれており、この愛称文化もGMTマスターIIの人気を後押ししている要素の一つです。

GMT機能の仕組み

GMTマスターIIの時刻表示機構を理解するには、3種類の針の役割を知ることが大切です。通常の時針・分針・秒針に加えて、GMTマスターIIには24時間で1周する「GMT針」(矢印型の針)が搭載されています。この針は回転ベゼルの24時間目盛りと連動して読み取ることで、2つ目のタイムゾーンの時刻を確認できます。

GMTマスターII(初代GMTマスターとの違い)の最大の特徴は、GMT針を独立して1時間単位で調整できる点です。これにより、時針・分針を触らずにGMT針だけを移動させることができ、実質的に3つのタイムゾーンを把握することも可能になりました。例えば、時針・分針を現地時間に、GMT針を24時間ベゼルと組み合わせて母国の時間に、そしてベゼルの回転位置を使って3つ目の都市の時間を大まかに確認する、といった使い方ができます。

回転ベゼルは24時間で1周する目盛りが刻まれており、一定方向にのみ回転する一方向式(古いモデルの一部)と、両方向に回転する両方向式があります。両方向式は現行モデルで採用されており、より細かい時刻調整が可能です。

歴代モデル・型番一覧(年代順)

GMTマスターシリーズは「初代GMTマスター」と「GMTマスターII」の2つの世代に大きく分類できます。それぞれの時代でベゼルの素材やGMT針の機構が異なるため、時代ごとの特徴を押さえておくと型番の見分けがスムーズになります。

Ref.6542(初代モデル)

1954年に登場した最初期のGMTマスターです。ベゼルにはベークライト(樹脂)素材が使われていましたが、経年劣化で割れやすいという弱点があり、後にアルミ製ベゼルへと変更されました。生産数が少なく、現存する個体は非常に希少なヴィンテージモデルとして扱われています。

Ref.1675(ロングセラーモデル)

1959年に登場し、1980年頃まで生産された非常に長寿のモデルです。リューズガード(リューズを保護する突起)が初めて採用されたのもこの型番からです。生産期間が長いため、年式による細かなバリエーションが豊富に存在し、ヴィンテージ市場では特に人気の高い型番の一つです。

Ref.16750/16760(GMTマスターIIへの過渡期)

16750は初代GMTマスターの後期モデルで、クォーツショックに対応した高精度ムーブメントを搭載しています。1983年に登場した16760は、GMT針とベゼルを独立操作できる「GMTマスターII」の初代モデルです。ケースが大型化したことから、その厚みにちなんで「ファットレディ」という愛称で呼ばれています。ベゼルは黒と赤の配色(通称コークベゼル)が特徴的です。

Ref.16700/16710(通称ペプシ・コーク)

16700はGMTマスター(初代)の最終モデル、16710はGMTマスターIIとして1989年に登場したモデルです。16710では赤青の「ペプシベゼル」が復活し、現在まで続く人気配色の原点となりました。アルミ製ベゼルが採用されており、経年による色褪せも味わいとして評価されています。

Ref.116710LN/116718LN/116719BLRO(セラミックベゼル世代)

2005年以降に登場した世代で、セラミック製ベゼル(セラクロム)が採用されました。116710LNは単色の黒ベゼル、116718LNはイエローゴールドとの組み合わせ、116719BLROはホワイトゴールド製で黒青の配色(通称ブルーベリー)を採用した特別なモデルです。この世代からセラミックベゼルにより色褪せしにくくなり、耐久性も向上しました。

Ref.116710BLNR(初代バットマン)/Ref.126710BLNR・126710BLRO(現行世代)

「バットマン」の愛称で知られる黒×青の2色ベゼルは、2013年に登場したRef.116710BLNRが元祖です。GMTマスターII生誕30周年にあたる年に、セラミックベゼルとして初めて2色を組み合わせたモデルとして発表されました。2018年〜2019年には現行世代のRef.126710BLNR(2代目バットマン)、Ref.126710BLRO(ステンレスモデルでのペプシベゼル復活)が登場し、この世代からブレスレットもオイスターに加えてジュビリーが選べるようになりました(初代バットマンはオイスターブレスレットのみの展開でした)。

Ref.126715CHNR(通称ルートビア)

イエローゴールド製ケースに黒と茶色の配色を組み合わせたモデルです。この落ち着いた配色から「ルートビア」という愛称で呼ばれ、ゴールドモデルの中でも独特の存在感を持っています。

型番別スペック早見表

型番 発売年 ベゼル配色/通称 主な特徴
6542 1954年 ベークライト製 初代モデル、非常に希少
1675 1959年 複数色展開 リューズガード初採用、長期生産
16760 1983年 黒×赤(コーク) GMTマスターII初代、通称ファットレディ
16710 1989年 赤×青(ペプシ)復活 アルミベゼル、ペプシ配色の原点
116710LN 2005年 黒単色 セラミックベゼル初採用
116710BLNR 2013年 黒×青(初代バットマン) 2色セラミックベゼル初採用、オイスターブレスのみ
126710BLNR 2019年 黒×青(2代目バットマン) 現行世代、ジュビリーブレスレット選択可
126710BLRO 2019年 赤×青(ペプシ復活) ステンレスでペプシ配色が復活

型番の見方・見分け方のポイント

  • ベゼルの素材:アルミ製かセラミック製かで年代の見当がつきます。セラミックベゼルは2005年以降のモデルの特徴です。
  • ベゼルの配色:「ペプシ(赤青)」「バットマン(黒青)」「ルートビア(黒茶)」など愛称ごとに型番が分かれています。
  • GMT針の操作方法:独立して調整できるかどうかが、初代GMTマスターとGMTマスターIIを分ける機構的な違いです。
  • ブレスレットの種類:オイスターブレスレットとジュビリーブレスレットの2種類があり、選べるモデルも存在します。

GMTマスターIIの選び方のポイント

配色の好みで選ぶ:ペプシ・バットマン・ルートビアなど、ベゼルの配色によって印象が大きく変わります。まずどの配色に惹かれるかを基準に選ぶのがおすすめです。

使用目的で選ぶ:実際に海外出張や旅行が多い方は、2つのタイムゾーン表示が実用的に活きます。デザイン重視であれば、着用シーンに合わせた配色・素材を選ぶとよいでしょう。

予算で選ぶ:旧世代のアルミベゼルモデル(16710など)は、現行のセラミックベゼルモデルに比べて価格を抑えやすい傾向があります。一方で人気配色は中古でも高値を維持しています。

モデルごとの相場・人気の違い

GMTマスターIIは配色によって人気と相場に差があります。特に126710BLRO(ペプシ)や126710BLNR(バットマン)は正規店での入荷が非常に限られており、中古市場でも高いプレミアム価格で取引されています。一方、黒単色の116710LNのような定番モデルは流通量が多く、比較的相場が安定している傾向にあります。

ヴィンテージモデル(1675や16750など)は、状態やベゼルの色褪せ具合によって評価が大きく変わります。特にアルミベゼルの経年変化による色合いは「フェード」と呼ばれ、状態次第でコレクターからの評価が上下する独特の市場を形成しています。

よくある質問(FAQ)

Q. なぜ「ペプシ」「バットマン」といった愛称があるのですか?
A. ベゼルの配色が、ペプシコーラのロゴやバットマンのカラーリングに似ていることから、ファンの間で自然に生まれた愛称です。

Q. GMTマスターとGMTマスターII、何が違いますか?
A. GMT針を独立して操作できるかどうかが最大の違いです。GMTマスターIIでは、時針・分針を動かさずにGMT針だけを調整できます。

Q. 日常生活でGMT機能は活用できますか?
A. 海外との時差を確認する際や、出張・旅行の多い方には実用的です。日常的に使わない場合でも、デザインの魅力として楽しむ方も多くいます。

Q. どの配色が一番人気ですか?
A. 明確な優劣はありませんが、赤青の「ペプシ」と黒青の「バットマン」は特に知名度が高く、入手困難な傾向があります。

Q. アルミベゼルとセラミックベゼル、どちらがおすすめですか?
A. 経年変化を楽しみたい方はアルミベゼルのヴィンテージモデル、耐久性と発色の良さを重視するならセラミックベゼルの現行モデルが向いています。


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